ガバナーメッセージと地区方針

メッセージMessage

折井 正明 ガバナー
松本ロータリークラブ所属
長野三菱電機機器販売株式会社
折井 正明
ガバナー

国際ロータリー第2600地区2023-2024年度のガバナーとして地区会員の皆様にご挨拶申し上げます。

コロナ禍により過去二回オンラインで行われてきた国際協議会が三年ぶりにインパーソンで、初めて米国フロリダ州オーランドで開催されました。スコットランド出身の本年度RI会長ゴードン・マッキナリー氏は開会メインセッションで“Create  hope in the world”「世界に希望を生み出そう」という2023-24年度のRIテーマを発表しました。そして、世界に希望を生み出すために重要なことは平和に重点的に取り組むことであり、ロシア軍による侵攻を受けたウクライナの人びとを支援するためにロータリー会員が過去1年以上行動してきたこと、洪水で大きな被害を被ったパキスタンや悲惨な震災に苦しむトルコとシリアの人々に手を差し伸べる取り組みをしていることに言及し、平和に重点的に取り組むことを通じてロータリーが世界に希望を生み出すという今年度のテーマについての説明とされました。

マッキナリー会長はまた、これから一年の活動指針として、国際ロータリーにおけるこれまでのアイデアや取り組みを継続前進させることの重要性を強調しました。具体的には、①ロータアクトの地位向上、②行動計画、③ポリオ根絶、④女児のエンパワメント、そして⑤DEI(多様性・公平性・インクルージョン)への取り組みの継続と前進であります。これら多くの貴重な取り組みは、そもそも単年度で終わるものは無いといってよく、陸上のリレー競技のバトンの受け渡しよろしく、ロータリーでの事業継承は、毎年、半年以上をかけて入念になされなくてはなりません。バーチャル交流もとても役立ちます。

さらに、マッキナリー会長は新型コロナウイルスの流行や戦争など世界で起きている様々な原因によって増大し深刻化しているメンタルヘルスの問題を新たに取り上げ、その影響を受けている世界の人たちにも、ロータリー会員にも、同じように希望を与える努力をしていくべきだと述べました。そのために私たちロータリアンが諳んじるまで肝に銘じるべきは「私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人々が手を取りあって行動する世界を目指しています」というロータリーのビジョン声明であり、是非これこそを暗唱してくださいと言われました。

私が当地区本年度のガバナーとして地区標語をLet’ssend out the joy of Rotary in action, hand in hand!「手をつなぎ行動するロータリーの喜びを発信しよう!」としましたのは、私たちが三年も続いたコロナ禍で多くの苦しみや会員減少の痛みを経験する中、今こそマッキナリーRI会長と気持ちを一つにして、持続可能な良い変化をもたらすために手を取り合い共に行動することの喜びを実感し、またそのことを世の中に発信することが大切だと考えたからです。

そしてその行動とは、過去35年の長きにわたり国際ロータリーが世界の先駆けとして展開してきたポリオ根絶活動が最もふさわしいと思いました。私たちがその意味を改めて振り返り、2026年のポリオ根絶宣言を目指して最後のカウントダウンに自らがコミットすることを通じロータリーとは一体何をしてきたどのような団体なのかを改めて身をもって経験することで、私たちのロータリアンとしてのアイデンティティーを再認識することがまさに今なすべき継続と前進に他ならないと思えたからであります。私たちがポリオ根絶に向かって手を取り合って行動する中に喜びを実感することが出来れば私たちの仲間が増えていくことへの希望が芽生えるのではないかと願うからでもあります。地区の基本方針を「ロータリー行動計画をポリオ根絶活動を通じて地区全体として明確に実現する」とし、新年度の重点目標を「あと一歩まで来たポリオ根絶のために私たちは行動する」、と屋上屋を重ねるが如くに強調をいたしました理由はそこにあります。

世界のいたる所で軋みが生じ、多くの社会で分断や格差や不幸があからさまになって、助けを必要としている人々がどこにでもいる現在、特にロータリー発祥の地である米国の社会状況を見るにつけても、ロータリーという普遍性に優れた中核的価値を有する民間団体が先達となってDEI(多様性・公平性・インクルージョン)を叫ぶことには必然性があると思います。私たちはロータリーという世界中の素晴らしい仲間からなる世界的な団体のフェローとして、その一員であることの価値と重みを実感しつつ楽しみ、よろこび、プライドをもって世界に発信する機会に恵まれた、そんな一年にすることが出来ればと思います。そのために、さあ、Let’s send out the joy of Rotary in action, hand inhand!「手をつなぎ行動するロータリーの喜びを発信しよう!」。

2023-2024年度の地区標語Slogan

Let's send out the joy of Rotary in action, hand in hand!
手をつなぎ行動するロータリーの喜びを発信しよう!

私たちは皆、自分がロータリーという素晴らしい人達の集まりの中にいることを知っています。助けを必要としている世界の人々に私たちが手をとり合って行動し喜んで奉仕していることを発信し、世界に希望を生み出しましょう。地区組織はそのためにクラブのサポーターとして存在します。

第2600 地区の基本方針Point

2023-2024 年度国際ロータリー第2600 地区の方針は、5 年前に策定され本年度に最終年を迎える現行のロータリー行動計画をポリオ根絶活動を通じて地区全体として明確に実現すること、とします。現行の行動計画は、
1.「より大きなインパクトをもたらす」、
2.「参加者の基盤を広げる」、
3.「参加者の積極的なかかわりを促す」、
4.「適応力を高める」 ことです。

最初の「より大きなインパクトをもたらす」で大切なことは、私たちが行動人として、エビデンスに基づき、奉仕プロジェクトから得られるデータをより効果的な方法で定義し、測定し、記録し、その結果を分析できるようにすることです。「より大きな」といっても、その程度に関する客観性が求められます。個々のプロジェクトにはそれぞれ目指す固有のインパクトがありますので明確な目標設定が求められます。

2番目の「参加者の基盤を広げる」で大切なことは、私たちは、行動人としてインクルージョンと積極的な参加を促し、世界に対する思いやりとビジョンを持ち、新しく対象とされる社会層の人たちとDEI を含むロータリーの価値観を共有し、仲間を募ってロータリーの力を体験してもらう新しい方法を生み出し、ロータリーが世界のために大きな目標を掲げる団体であること実証していくことです。

3番目の「参加者の積極的なかかわりを促す」で求められていることは、私たちが行動人として、時代や国を超えた関係を培う奉仕活動を何か行うことです。個人として、また地域社会の一員としてロータリーとともに何ができるのかを、具体的な形で発信することが必要です。

最後4番目の「適応力を高める」では、私たちは行動人として、ロータリーを強化し、末永く続く変化をもたらす新しい視点や考え方を追求することが求められています。地域社会によりよく奉仕するために、調査と革新を促し、リスクを恐れない文化を育んでいきましょう。例えば、会員減少に伴い地区予算は縮小傾向にありますが、企業経営と同じく選択と集中による運営改革を行うことも必要になってきています。

第2600 地区の重点目標Goal

あと一歩まで来たポリオ根絶のために私たちは行動する

「古着deワクチン」END POLIOキャンペーンに参加しましょう!

ポリオ(小児まひ)にかかった子供のためのかつての人工呼吸器

そのねらい

  • ①「 ロータリーの公共イメージ向上」

    ポリオ根絶活動はTV や新聞など様々なメディアを通じて発信し、また当年度の地区大会のメインテーマにも掲げます。地区を挙げての一連の事業が相互に関連づけられ「ロータリーが今日までどんな事を重視して何をやってきた団体か」ということを私たちロータリアン自身が連携して行動する中で再認識しつつ、広く世の中により純粋に平和と希望を求めるロータリーのあるべき公共イメージを遡及することを目指します。

  • ②「 広がりある参加者の基盤と積極的な参加」

    インターアクトやロータアクト、青少年交換留学生や米山奨学生、 学友会さらには一般市民がポリオ根絶という共通の目的に向かってそれぞれに関与し参加することを通じてDEI を実践しつつ「 参加者の基盤を広げる」 と「 参加者の積極的なかかわりを促す」 という行動計画の中の二つの要素の実現を目指します。

  • ③「 ポリオ根絶と会員増強に向けてのより大きなインパクト」

    R財団の世界基金(WF)の1.5倍上乗せ政策と“ビル&メリンダ・ゲイツ財団”の寄付額倍増契約を活用しDDF(R 財団地区資金) や寄付の投入効果が最終的に4.5倍になる仕組みを利用してワクチン供給のための財政基盤強化により大きく貢献しポリオ根絶への直接的な貢献度を高めます。 END POLIO キャンペーン活動による公共イメージ向上と財政基盤への実質的貢献の相乗効果は更にその副次的効果の帰結として「会員増強」という「 より大きなインパクト」 を導くことが期待されます。

  • ④ 時代精神にのっとった他団体との協調・連携により「 適応力を高める」

    多様な参加者が共に連帯感を醸成しつつENDPOLIO NOW への意識を共有し向上させることが出来るとすれば、その背景には必ずしやロータリーにおける基本理念や中核的価値観の普遍性がありますが、 加えて DEI や SDGs 特に環境・生命・事業などにおけるサステナビリティーに代表される私たちの時代精神(ムード)や希望があります。そうした時代精神や希望に私たちが適応していること、あるいはサステナビリティーのアイデアをより良く体現し、あるいは実現しつつある団体と協調し連携することで私たちの適応力をさらに高めましょう。認定NPO世界の子供にワクチンを日本委員会や、そのアイデアの下で「 古着 de ワクチン」 事業を展開する日本リユースシステム株式会社といった団体や企業との協調や連携を例としてあげることが出来ます。

第2600地区の活動目標Initiatives

  • Ⅰ . クラブおよびグループ

    • ①地区委員会への参加促進(クラブ会員数の10% は地区委員会へ!)
    • ②地区重点目標実現のためのクラブの枠を越えた地縁的連携
    • ③マイロータリーの登録60% 以上とクラブセントラルの活用
    • ④ローターアクトクラブ地位確立の支援
    • ⑤ DEI の理解促進と会員増強(女性や若年会員の入会強化)
  • Ⅱ . 地区委員会

    • ①「継続」と「前進」への意欲的・継続的な取り組み
    • ②地区方針・重点目標の実現のための委員会の枠を越えた機能的連携
    • ③ローターアクトクラブ地位確立の支援
  • Ⅲ . 寄付目標

    • ①ロータリー財団への寄付
      年次基金への寄付 1人150ドル
      ポリオへの寄付 1人30ドル(Tシャツdeワクチン参加=8ドル)
      平和センターへの寄付 1人200円
      恒久基金への寄付 1クラブ1,000ドル

      大口寄付者の獲得

    • ②米山記念奨学会への寄付

      1 人普通寄付金3,000 円と特別寄付を合わせて20,000 円以上を目指しましょう

  • Ⅳ . 地区運営:「継続」と前進のためのニューノーマルの定着

    • ①研修会・協議会・セミナー等におけるイン・パーソンvs オンラインのメリハリある運営
    • ②次年度準備のための年間スケジュールの早期化
    • ③伝統に縛られない運営と財政規模に見合った地区予算